このお話は、幼稚園の娘が経験した、切ない恋のお話しです。
少し、長文になると思います。
〈恋の始まり〉
娘も、たまに幼稚園を休む時がありました。
幼稚園で意地悪する子が嫌で、(そのお母さんから聞いた話し、意地悪する子は、うちの娘が好きなんだそうです。)
押されたり、叩かれた時は、休みがちでした。
(いつも、お母さんはしっかり謝ってくれます。)
ある日、また、幼稚園を嫌がり1時間ほど遅刻した時、幼稚園に着くと、ある男の子が…
タタタっと走って来て
ぎゅーと、抱きしめて
「大好きだよ」と言ったのです。
その日から、その男の子は、
うちの娘の゛彼氏 ゛と、なったのです。
〈育まれる恋〉
いままでも仲が良かったのですが、
二人は更に仲良くなりました。
仮に、男の子の事をY君とよびます。
幼稚園で遊べる時間はほとんど、Y君と遊んでいたようです。
毎日、Y君と遊んだ事を家で教えてくれて、
良く家でお人形を使って、結婚式ごっこをしていました。
言うまでもなく、Y君と娘の結婚式です。
可愛いのが、結婚式の後は、砂遊びをするそうです。
いつも、幼稚園でお砂遊びをしているからです。
住んでいる区域が同じ小学校だったので、私は、ずっとこの恋愛が続けばいいのになぁ。
娘は幸せだろなぁって、思っていました。
引っ越しする予定とかも、特に言ってなかったので…
小学校に入っても、娘はバラ色だなぁと思っていました。
〈まさかの引っ越し宣言〉
ある日、娘が風邪をひいては休んでました。
そしたら、幼稚園のグループLINEで衝撃的な文面が…
「Y君が引っ越しするので、皆さんでお別れ会をしましょう」
私は、一気にドン底に落とされた気分でした。
そんな…娘はこれからずっと、幸せに過ごしていけるはずだったのに、
特に、引っ越しするなんて言ってなかったのに、
なんで、なんで、なんで、
私は、しばらく娘に隠しておこうか考えましたが…
私自身が、隠しきれなかったので、すぐに、Y君が引っ越しする事を伝えました。
私たち親子は、その事を知ってからしばらく涙が止まりませんでした。
なんて神様は意地悪なんだろう?
幼い恋人どうしを引き離して、一体何の恨みがあるのだろう?
と、涙がずっとずっと止まりません。
私の精神的な落ち込みもありましたし、娘が可愛そうと言う想いもありまして、
1週間も幼稚園をお休みしてしまいました。
〈再び通園からお別れまで〉
このままやはり、休み続けるわけにはいかないと思い、親子とも少し心の整理が出来だしてから、通園しました。
やはり、娘はまだ、複雑な気持ちの様です。
私も、まだまだ複雑な思いはありました。
娘が、Y君と遊んだと言うと
「良かったね、楽しかったね」と、言ってあげられず、話を剃らしたりしてしまいました。
娘はどんな気持ちだったのでしょう?
いい方が分からず、剃らすしかありませんでした。
娘は、バレンタインデーで手作りのチョコを渡していたので、ホワイトデーのお返しをくれました。
私は正直貰いたくなかった…
これ以上、想い出を作らせたくなかったからです。
でも、娘は嬉しそうに「私の好きなキティちゃんちゃんとわかっててくれたんだ!!」って、喜びました。
その時わかりました。
きちんとサヨナラをさせてあげようと…
最後まで、仲良く終わらせてあげようと…
その日からお別れの日まで少ししかありませんでしたが、娘が、最後に彼の好きなものをプレゼントしたいと言うので、買うことにしました。
ですが、後最後の別れまで3日しかなかったので、Amazonで翌日配達してくれるものを選んで買いました。
最後の日は、みんなY君にサヨナラ言うために、あまりお話しできる時間もなかったのですが、プレゼントを渡して
「ありがとう」と、「元気でね」と言ってサヨナラしました。
私は涙をこらえて逃げるように帰ってしまいました。
引っ越しの原因は、Y君の家の離婚でした。
多分、ママも子供のために頑張ろうと思っていたけど、どうしても耐えきれなかったのかなぁと思います。
良く働くお母さんでした。
Y君にはさらにやんちゃな弟をいて、パートもして、ご主人の協力もない中、多分毎日ホントに大変だったと思います。
ご実家に帰られると言う事だったので、どうか、ご両親にも見守られたゆったりと安心できる育児が出来たらと思います。